本番環境(あまちゃん)

あまちゃん 第4週「おら、ウニが獲りてぇ」第24話(脚本:宮藤官九郎、演出:井上剛 (C) NHK)より

さて本気獲りの日になった。天野アキ(のん)は足立ヒロシ(小池徹平)が(余計な)告白をしたため、一睡もできず、安部小百合(片桐はいり)はまめぶ汁の普及に取り組むことになったため海女最後の日。アキにも安部ちゃんにとっても大事な日である。何しろ、割り当ては一家で一人。

今野弥生「舐めんなよ。みんな、ちっちぇえ頃から潜っている連中だからな。」

皆、潜水服を身につけているので本物の海女さんではないかと私も思った皆さんにもアキは挨拶。ボートに乗って出発し、沖へと向かった。天野夏と天野春子は岸から見守るが、夏はやはり心配そう。余計な事をほざいたヒロシは別の船から撮影していた。そして沖に着いた。

長内六郎「そんじゃあ、2時間勝負だな。」

そして飛び込む海女達は本気だ。アキもそれを感じた。

長内六郎「みんな、すげえべえ。」
天野アキ「うん。」
長内六郎「獲ったウニはその日のうちに換金するんだから。みんな、必死だべ。」

そう。一年の生活がかかっているのである。それを夏は敢えてアキに託したのだ。もちろん、夏の方がたくさんとれるだろう。それをアキも感じたのだろう。なお夏は春子に譲った事はなかったそうだ。

長内六郎「どうするアキちゃん?」

足がすくんでいるアキに六郎は声をかけていた。

長内六郎「おっかねえならやめておいた方がええぞ。いつも潜っている海とは全く別物だから。潮が早いし水温も低い。ベテランでも溺れることがたくさんある。」

そう言われたアキだったがついにゴーグルをつけた。と同時に夏が双眼鏡を春子から奪い取った。「潜るか」とか「大丈夫か」とかきく六郎にアキは答えた。

天野アキ「安部ちゃんと約束したんだ。自分の力で討ち取って、一人前の海女さなるんだ。」

今野弥生、長内かつ枝の姿も映った。皆、飛び込もうとするアキを観ていたのだ。

長内六郎「心配すんな。(浮き輪を手に取り)なんかあったら、すぐ投げるから。」

そしてアキは潜った。その様子をヒロシも撮影。

天野夏「潜った。」

天野春子が双眼鏡を奪おうとした時、アキは海の中だった。そして色々あって、初めて三陸の海に入った時のことをアキは思い出して、ついにアキは考えないことに成功した。その様子を双眼鏡で観る夏。アキは海からあがった。

長内六郎「大丈夫か、アキ?」
安部小百合「とれたか?」

今野弥生、長内かつ枝、足立ヒロシも映った後、アキはウニ一つを高く掲げた。一同大喜び。夏も笑った。

天野春子「ホントだ、持ってる、持ってる。」

大向大吉も菅原保も駆けつけた。安部小百合に六郎から餞別が渡された後、アキがどれだけ獲ったかと言えば

長内六郎「今年の天野家は五百円。」

そう。あの一つだけだった。アキは夏に謝ったが

天野夏「銭が全てじゃねえ。アキが初めて自力で獲ったウニだ。天野家にとっちゃ、一生もんだべえ。」

途中で春子も頷いていた。その言葉にアキは救われた。そこへユイも駆けつけた。アキがウニを獲ったと知って無邪気に喜ぶユイはアキが獲ったウニを見たいと言い出した。既に収穫物としてまとめられたと思ったら

長内六郎「ちゃんとここさあるのでござる。」

六郎はアキが獲ったウニを三宝の上に載せていたのだ。その目的は

天野夏のナレーション「アキが獲った、たった1個のウニは海の神様に奉納されました。」

拝む海女達やウニをガラケーで撮影する春子。海女のシーズンは静かに幕を閉じたのであった。