念書(必殺仕置人)

必殺仕置人 第17話 「恋情すてて死の願い」(脚本:桜井康裕、監督:長谷和夫 (C) 松竹)より

agua.jpn.org

第17話「恋情すてて死の願い」1973.8.11

 失火の罪問われ火焙りに処される油問屋・但馬屋。しかしその裏には同業のワルのギルド、失火ではなく付け火。残された二人の姉妹はワルが持つ付け火の証拠となる念書を求め奔走、書付を盗りに入ったりする。しかし姉妹に情報提供していた元手代が実は一味とグルで、まず妹が落命、次いで姉も証拠書類を持って訴え出たところで奉行所内部にいた一味の与力の罠にはまり処刑されてしまう。
彼女達に深く関わり念書奪還までしてやった錠の家に残された感謝の手紙に酒でも呑んでくれと添えられた金が仕置料となる。

ロケ地
・妹の死体が捨てられる、中ノ島橋下手川中。
・北町奉行所、京都御所管理事務所北門(錠が座っているのは前の溝のなか、遠景は宗像神社西塀)。
・与力・永尾の仕置は中ノ島橋(橋上、橋下河川敷)。
*仕置の際誰何された鉄が「いま巷で評判の仕置人だ」とやるのがご愛嬌。深く関わった錠の怒りは元手代を念入りに刺し、障子にびしゃっと飛び散る血しぶきで表現されている。

あらすじは上記の通り。失火の事件が起きたのは5年前。但馬屋彦兵衛(真木祥次郎)の磔の場に姉のお美弥(長谷川澄子)と妹のお鈴(中田喜子)が観に来ていたのを中村主水は覚えていた。二人は油問屋が持つ筈の念書を探し回っていたのだ。仕置の直後に念仏の鉄、棺桶の錠、そして中村主水が話し合ってのをお美弥が偶然聞いてしまったことにより、仕置人が関わる事になってしまった。この時、お美弥は足を怪我してしまったが、最終的に棺桶の錠が送り届けた。お美弥から話を聞いた錠は二人に同情してしまったのだ。

お美弥は元手代の清七(岩下浩)と恋仲。そしてお鈴は野菜を売り歩く作次郎(高峰圭二)と恋仲だった。清七が念書を吟味与力 永尾忠之(高野真二)が持っているという情報を二人に伝えた事により事態は急展開する。お美弥が足を怪我しているため、永尾と堺屋(明石潮)達油問屋が集まる場所にお鈴が乗り込んだが、これは罠。お鈴は棺桶の錠の目の前で殺されてしまった。錠はなんとか念書を盗み出すことに成功し、お美弥に渡した。だが、作次郎がお鈴を呼ぶ声をお美弥は虚しく聞く事しかできなかった。

棺桶の錠は清七を疑い、尾行した結果、清七が永尾、そして堺屋とグルだと言う事が判明。お美弥とお鈴は清七の手のひらの上で踊らされていたのだ。さらに例の付け火も清七の犯行と判明。錠は主水、おきんと相談して動くのだが、清七の方が一枚上だった。清七はお美弥を騙し、

お美弥「あたしを抱いてください。」

と情事に及んだ後、裏門から永尾にお美弥を引き渡してしまった。錠には書状が置かれ、「これで皆様と共にお酒など召し上がってください」というお金が仕置料となった。今回は中村主水も仕置に参加する。その内訳は次の通り。

  • 永尾
    まず主水が近づいた後、後ろから念仏の鉄が近づき、永尾に「今、巷で評判の仕置人だ。」と名乗って主水と挟み討ち。
  • 清七
    棺桶の錠が乗り込んで仕置

今回はおひろめの半次は登場しなかった。