規約違反(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第8話「裏切無用」(脚本:野上龍雄、監督:高坂光幸 (C) 松竹)より

さてこの話の肝に入った。虎が闇の重六を仕置したと聞いて高笑いする鉄。だが主水は浮かぬ顔。小梅へひとっ走りするという巳代松を引き留め、こう言った。

中村主水「いや、困ったなあ。以前とは事情が変わっちまってな、かねみ屋ってのは奉行所のお尋ねもんだ。だから俺がひっくくらない事には首がとんぢまうんだ。」
巳代松「それがどうしたって言うんだ。二足の草鞋履いているのはてめえの勝手じゃねえか。行くぜ。」

困り果てた主水は「小梅では半月ほど前に人殺しがあった。まだ下手人があがっちゃいないんだ。」と大嘘をこいて鉄達を足止め。かねみ屋を召し取ってしまった。

だがその大嘘はすぐにバレてしまった。その夜、主水は巳代松に呼び出された。向かう道中、主水はこう言った。

中村主水「伝馬町の牢なら俺はネズミのアナまで知ってるぜ。小梅みてえなだだっ広いところでやるより、よっぽど仕事が楽じゃねえか。」

主水が連れてこられたところに鉄とおていもいた。鉄と巳代松が主水を殴ったり蹴ったりした後、鉄は主水の右肩の骨を外した。

念仏の鉄「教えてもらおうじゃねえか、八丁堀。十万石の大名の懐に逃げ込んだ奴はどうやって料理すればいいんだよ。」

これは主水も初耳だったが、かねみ屋は備後福山藩阿部備中守の家中と繋がっていたのだ。

中村主水「いってえ、なんのことだよ。」
巳代松「とぼけるんじゃねえや。」

巳代松は主水を蹴飛ばした。さらに鉄は主水を殴った。巳代松が大きな石をぶつけようとしたので

中村主水「待ってくれ。待ってくれ。俺はわけもわからねえで、おめえ達に殺されるわけにはいかねえんだ。おてい。かねみ屋は伝馬町にいねえのか。」

おていから話を聞いた主水は驚いた。

念仏の鉄「頭の良いおめえのことだ。こうなるのを承知で町奉行にかしを作るつもりでこうやったんだろう。どっこい、世の中、そう甘くはないんだ。上の奴は弱みを握られるのを嫌うもんだし、俺達は裏切られるのが何よりも我慢できねえんだ。死んでもらうぜ。」

鉄は主水の腰の刀を抜いた。

巳代松「お、おい。俺にやらせろ。」

だが鉄は本気でこう言った。

念仏の鉄「こいつとは古い馴染みだ。やるのは俺しかいねえよ。」

さあ、どうなるのか。続きは映像で確認してほしい。