規約 その2(新・必殺仕置人)
新・必殺仕置人 第32話「阿呆無用」(脚本:村尾昭、監督:高坂光幸 (C) 松竹)より
おみつ(小坂知子)から事情を聞いた正八は同情し、皆を集めたのだが、皆呆れて立ち去ってしまった。だが何故かこの男は階段に座って残っていた。
念仏の鉄「妹に似てるのか?」
そういう話をしていたので正八は頷いた。
念仏の鉄「まあ人のためになんかやってやろうと言うのは良いことだあ。俺にも妹がいたら、おめえとおんなじことをやったかもしれねえなあ。」
そう言って鉄は正八の頭を撫で始めた。
正八「よし、しょうがねえ、出してやろう。その代わりさあ、鉄さん、俺、これ十両出すから、十両きっかりでこれ競り落として。ねえ。」
と言うわけで寅の会。
吉蔵「舟松町に
積もる恨みも三年越し
阿波屋伊兵ヱかなあ
虎漫筆」
競りが始まろうとしたので鉄は頼んだ。
念仏の鉄「この競りはそっくりそのまま俺に落とさせて欲しいんだよ。」
だが
虎「折角だが、決まりを曲げることはできねえ。競ってもらいしょう。」
仕方なく、競りが開かれ、鉄が五両で競り落とすのであった。