遅刻 その2(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第26話「抜穴無用」(脚本:松原佳成と嵯峨忍、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

正八と念仏の鉄は同じ女郎屋にいた。正八は鉄より一足先に起きた。正八は隣の部屋で鉄が未だ寝ていて、くしゃくしゃに丸めた紙を投げてぶつけても起きないのを確認すると、なんとこう言った。

正八「俺、払ってやっても良いんだけどなあ、俺の隣に坊主いただろう。あれがどうしても奢りたいって言ってたから、あれから貰っとけ。」

とまあ、こんな感じで立ち去ってしまった。

だが今日は

虎「(死神に)気を許すな。」

そう。寅の日だったのである。

だが念仏の鉄は女郎屋で足止めを食らっていた。

そして寅の会。

吉蔵「本日は生憎、挙句がございませんので、これを持ちまして興行を終わりにしたいと思います。」

となった。だが実際は違うのが後でわかる。虎が死神に合図すると死神は外へ出ていった。

さて場面変わって女郎屋。正八が戻ってきた。鉄は布団虫にされ、逃げられないよう、ぐるぐる巻きにされていた。

正八「鉄ちゃん、お待たせしました。どうも。苦しい? 痛いでしょう。」

何故か鉄は笑いながらこう言った。

念仏の鉄「正ちゃん、あなた、今日、何の日か知ってる?」

あ!

正八「あ! 寅の日だ。」

まずい。鉄は薄ら笑いを浮かべていた。

正八「行けないわ。ごめんね。」

慌てて帯紐を解く正八。

念仏の鉄「良いわよ。」
正八「気がつかなかった。未だ間に合うかしら、鉄っちゃん。」

拘束が解けた鉄は起き上がりながらこう言った。

念仏の鉄「大丈夫だよ。」
正八「ごめん、本当にごめん。」

だがそれで済むわけがない。正八は鉄に思いっきりビンタされて転がり回る羽目に陥った。

そして慌てて鉄は走ったが、山門で死神に捕まってしまった。間に合うわけがないよねえ。さて以前遅刻した時はこうだった。

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念仏の鉄「何すんだ、この野郎。」

開き直ったのか、鉄はこう言ったのだが

死神「月見屋敷ノ月峰ノ手ノ者ガ見張ッテルカモシレナイ。」
念仏の鉄「あいつは仕置されたんじゃなかったのか?」
死神「イヤ、仕置ハ失敗シタ。今日集マッタ連中ハ目ヲツケラレテイル。」

ということは

死神「虎ノ頼ミダ。新シイ依頼ガアッタ。」

さてこの続きは映像でご確認を。