取り違え(新・必殺仕置人)
新・必殺仕置人 第35話「宣伝無用」(脚本:村尾昭、監督:高坂光幸 (C) 松竹)より
さて本題。宇之吉(有川博)は唐木屋市兵衛(伊沢一郎)と組んで輪島の沈金塗を独り占めすべく、外道殺し屋組織の巳の会の伝八(徳田実)に依頼して浜田屋平蔵(小林尚臣)を殺害させた。殺しの現場を見た鉄は色々な手段を使って仕事にした。
寅の会の挙句は次の通り。
輪島塗の
朱よりも赤き
血の色か
恨みは尽きぬ
唐木屋市兵衛
頼み料がたったの五両だったので念仏の鉄が競り落とした。そして鉄はおゆみ(桑垣浩子)を連れて輪島へ向かったのだが、旅の途中で事件が起きた。
巳代松は坊主の死体が上がったと聞いて慌てて現場へ行ってみた。鉄と同じ黒い着物を着た男が川に浮かんでいた。顔を確認しようとすると
念仏の鉄「松。」
鉄がおゆみを連れてやってきた。
巳代松「なんでえ。」
そして鉄は死体を見て言った。
念仏の鉄「俺によく似てんなあ。」
念の為、胸元を見てみると、針か何かで刺した傷が見えた。
念仏の鉄「こいつは伝八の仕業だ。」
巳代松「伝八? じゃあ、鉄さんと間違えてやったのか。」
鉄は頷き、さらにこう指摘した。
念仏の鉄「狙われるのはもう俺だけじゃねえ。別れよう。」
鉄はおゆみを連れて、巳代松とは別れた。鉄の予想通り、それを伝八は見ていたのであった。