保護(新・必殺仕置人)
新・必殺仕置人 第35話「宣伝無用」(脚本:村尾昭、監督:高坂光幸 (C) 松竹)より
さて中村主水はうまい具合にせんとりつが、今流行の輪島の沈金塗を買い付けに行く、と言い出したため、堂々と輪島へ出かけていた。
そして宇之吉(有川博)は唐木屋市兵衛(伊沢一郎)を連れて浜田屋弥左ヱ門(信欣三)のところへ乗り込んで買い占めようとしたのだが、宇之吉の魂胆を弥左ヱ門は見抜いていたため、うろうとはしなかった。怒った宇之吉と市兵衛は浜田屋平蔵(小林尚臣)の妻でおゆみ(桑垣浩子)の母でもあるおしず(志乃原良子)を連れ出し、弥左ヱ門を呼び出し、頬を傷つけたりして脅し始めた。だがそこへ現れたのは中村主水。
中村主水「いや、ちょっと、ものをお尋ねしたい。浜田屋さんのお店へはここからどう行けばよろしいんですか?」
渡りに船とはこの事だ。
浜田屋弥左ヱ門「へい。私が浜田屋でございます。」
中村主水「おお。いや、これはちょうどよかった。私は江戸の中村主水と申します。」
浜田屋弥左ヱ門「へい。」
中村主水「はは。とは言っても、どなたもご存知ないでしょうが、え、実は浜田屋さん、お宅のお店で輪島塗を拝見したいと思いましてなあ。」
浜田屋弥左ヱ門「はあ、これはわざわざ。」
中村主水「じゃあ、早速、ご案内願いますか。」
主水はおしずを抑え込んでいる市兵衛の肩を叩いた。市兵衛はおしずを解放せざるを得なかった。かくして主水は浜田屋の危機を救ったのであった。
なお、この後の仕置の分担は次の通り。
巳代松は海に入って竹鉄砲をぶっ放すのである。