フィクションなどから拾う情報処理用語? その61 サンドボックス (必殺仕置屋稼業)

必殺仕置屋稼業 第2話「一筆啓上 罠が見えた」(脚本:中村勝行田上雄、監督:松本明 (C) 松竹)より

難関突破編を得意とする中村勝行さん(後にレギュラー入りする中村敦夫さんの弟)の脚本と思ったら、実際は田上雄さんの執筆だったが、それは兎に角、やはり殺しの方に興味があったのかも知れない。今回はかなり凝っている。

さて市松は義父でもある鳶辰(津川雅彦)相手の仕事を降りてしまい、おこうにしっかりバレた主水は仕置料を減額されたのだが、当の市松は鳶辰の真の顔を知ってしまった。そのこともあって、夕方、竹林の中にある自宅(ここは主水も含めた全員知っているがおこうが知っているかは不明)で何故か真っ白な紙で折り鶴を折っていた。これは一応、大事な伏線。

さて夜になり、主水は捨三と印玄を連れて鳶辰を呼び出した殺しの現場へ。鳶辰から用意された千両箱を取ろうとした捨三は高岩(成瀬正)に背中を斬られるのだが、鎖帷子を着ていたので、だいじょーぶ(青影談)。その割に捨三は重さを感じないのか、身軽に動いているような気もするのだが、それは兎に角、結局、高岩はあっさり主水に斬られ、鳶辰は印玄から屋根から落とされ(この時の叫び声も一応見もの)、主水が斬った…と思ったら、

鳶辰「それで済んだと思ったら、大間違いだ。」

当然、呆気に取られる主水。
偽者と本物(だよね)を見比べる小芝居も入る。今回のネタもとい話は敵側がサンドボックスを用意していたのだ。さあ困ったねえ。ここからが見ものである。

主水「こいつは影武者だったのか?」
鳶辰「その通りだ。これが裏稼業の裏ってもんだ。」

懐から短筒を取り出し、狙いを主水につける鳶辰。火縄銃かと思いきやそうでもなさそうで江戸時代にあったのかどうかはよくわからないが、それも目を瞑ろう。鎖帷子着用の割に動きが身軽な捨三は主水には忠誠心を持っていた(対する主水は信じていないと後に言い切った)ので主水のところへ駆け寄ろうとしたが、

鳶辰「二人一緒に死んでもらおうか!」

と言うや否や鳶辰の後ろから折り鶴が飛んできた!
誰が飛ばしたの? (ここ大事)
折り鶴に気がついた主水はニヤリと笑うが鳶辰は気づかず(これが真の敗因)、鳶辰がニヤリと笑った直後に折り鶴が着弾。実は折り鶴には竹串が仕掛けられていて更に鳶辰の血を吸って真っ白な折り鶴が真っ赤になる。んなバカな! と思ってもそういう話だから仕方がない。市松の仕業。鳶辰の表情も見もの。
この後、凶悪なやり取りが行われた後、金を(当然)要求する市松と主水のやり取りが笑える。なお前述した通り、主水はおこうから市松の分をもらってはいない! それもあり

市松「二両とは安い命(当然主水のかなあ)だなあ。」

最後は(三度め)ロリコン主水がしっかり描かれて終わり。それが大事なの? 面白いからいいか。