隠蔽(必殺仕置屋稼業)

必殺仕置屋稼業 第8話 「一筆啓上 正体が見えた」(脚本:素一路(保利吉紀)、監督:大熊邦也 (C) 松竹)より

題名が長くなってわかりにくくなったし、番号も間違っていたことがわかったので、余計な文言はタイトルから省くことにした。

さて、この話は濃い話。しかも配役からも悪い奴がわからないときたもんだ。なにしろ、被害者役の多い人が一番の悪なのだ。

さて本編。色々と凶悪な関係があって仕置屋は仕置を遂行。まず印玄が辰平(田口計)を屋根落としで殺し、市松が伊勢屋(藤岡重慶)を殺したが、一番の見どころはここから。

中村主水が与力 真部(西山辰夫)を南町奉行所の中で声をかけた。

中村主水「あ、真部様。お部屋でお客様がお待ちです。」

そして与力 真部が部屋に入れば座っていたのは、殺した筈のおしま(吉行和子)。驚く真部の隙を突いて主水が真部を刺殺。

中村主水「捨。」

畳をめくって床下から捨三が登場。おしまの死体を運び込んだのは彼だったのだ。

さて話はこれでおしまいではない。おしまの夫はおこうの幼なじみだった。おしまの夫を冤罪に嵌めた同心 山崎格之進(織本順吉)が真の標的なのだ。おこうが彼の名前をあげているのだから間違いない。そして何食わぬ顔で中村主水は与力 村野のところに戻った。

与力 村野「中村、仙吉(佐々山洋一)殺しはどうなった?」

かなりイライラしている村野に

中村主水「ただいま、無事に解決しました。」

驚く格之進は振り返って主水の方を向いてしまった。

中村主水「その件について、お知らせしたいことが。」

主水は与力 村野に耳打ち。村野様も驚き、思わず格之進の方を見た。その後、村野様は立ち去り、主水は自席に座り、格之進が出ていった後、中村主水の専用BGM「主水」が流れ始めた。中村主水は調書を手に持ち立ち上がって席を離れた。さあこの時点である程度の流れは読めるよねえ。

格之進が向かったのは与力 真部の部屋。まず様子を伺った後で廊下で障子越しに

山崎格之進「真部さん。真部さん!」

だが返事がない。そこで戸を開けて中に入ると真部が座っているのが見えたので格之進は中に入ったのだが

山崎格之進「いるんだったら、返事をしてくださいよ。真部さん、中村主水がねえ。」

と背中を叩いたら、真部はそのまま机に突っ伏してしまった。既に死んでいたからねえ。だが格之進は気づかず

山崎格之進「真部さん。(やっと気が付き)真部さん!」

とそこへ入ってきたのは村野様。格之進が逃げ出そうとしたら、そこには調書を持った中村主水がいた。絶句する格之進。じっと格之進を観る村野様。さて主水は

中村主水「仙吉殺しの調書でございます。」

仕方なく格之進は自害して果てた。それを観た村野様はこう言った。

与力 村野「中村、この場の事は決して口外してはならん。」

主水は頷いたが

与力 村野「良いか。当南町奉行所には真部という与力も山崎という同心もいなかった。断じていなかった。」

この勢いに

中村主水「ああ。しかし、こないだ殺された山崎さんの手下の…」

というのが精一杯。

与力 村野「もちろん、仙吉もいなかった。」

ここまで言われては

中村主水「はあ。」

と頷くしかなく

与力 村野「したがって、臨時の手配書、漏れなく集めてまいれ。」

この指示に

中村主水「はい。」

と答えるよりしかなかったのだ。最後は手配書を剥がしまくる亀吉と主水を映しておしまい。

亀吉「もういや、こんな生活。」