フィクションなどから拾う情報処理用語? その72 転職(必殺仕置屋稼業)

必殺仕置屋稼業 第3話「一筆啓上 紐が見えた」(脚本:村尾昭、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

 

中村主水南町奉行所へ移ったのは既に描かれているけど、これはもしかしたら『影同心』対策かなあと思う間もなく、実はあの最終回もこの人が脚本も書いているので、もしかしたら最終回の場面の伏線もあるのかなあと深読みできる話なのだ。遊びも多いけど本題の話が極悪で視聴者や仕置屋に犯人や手口がバレても被害者はとことん搾り取られる酷い話。亀吉は今回は役に立たないけど(?)見せ場はあるし、ロリコン主水やら覗きネタやら多いけど、このシリーズのネタも見つかった。中村家の財政が描かれるのだ。

さていつもの中村家の夕食。メザシ3本とたくあんのみがオカズという、主水でなくてもあのねえと言いたくなる食事。こんな会話が交わされる。

せん「婿殿。今、中村家がどのような事態かよーく御存知でしょうねえ。」

主水「は。」

せん「新しく家を建てたこと(これは初回で描かれている)から月々の返済に追われ、台所は火の車です。」

主水「しかし、南町に移って月々の手当ても上がったはずですが。」

そう。転職して給料も上がったのだ、中村主水はあの昼行灯ぶりでも。何故かは知らないが転職に成功したのだ。でも転職して給料が上がる場合って結構まれだと思いますよん。下がる人もいますからねえ。さて私はどうでしょね。閑話休題

りつ「あなた。そりゃ確かに上がりはしました。でも上がったのは雀の涙ほどですよ。ですけど米や味噌も上がっているんです。」

まあ私が(略)を冷ややかに観てしまう理由まで挙げられ、主水はぐうの音も出なかった感じ。中村家のやりとり、必殺仕置人時代はさほど回数はなくて、というより主水が出ない話も多いので、その関係でせんとりつの登場回数は少ない。朝日放送でも『影同心』登場でその凶悪さに気がついたのが実状のようだ。ただし、回数が少ない分、必殺仕置人でのやりとりはもっと凶悪だったのは確かだ。閑話休題

せん「まあ、りつ、婿殿のお手当は全然上がったことにはならないのです。その計算がお分かりですか、婿殿。」

ここまで言い切られてしまった。まあそんなもんでしょ。どの転職も。というわけで

主水「(渋々)はい。」

せん「ではいただきなさい。」

主水「はい。」

仕方なく食べる主水だったが、しっかり

りつ「母上。」

なんとりつはお膳の下に別のおかずを隠して渡した。その中身は

せん「かぼちゃ。かぼちゃは婿殿は嫌いでございましたねえ。」

まあ例のネタが出てきたかどうかは定かではないけど伏線にはなっているかもねえ。

そしてこのネタ自体はこれで終わりと思ったら、最後の最後にこんな凶悪なオチが待っていた。主水は囚人護送失敗(当然、仕置屋稼業絡みで囚人が(市松に)殺されたばかりか同僚も(主水に)殺されたが別件で(?)チンピラが(印玄に)屋根から落とされたことがどう扱われたのかは不明な)ことを咎められ

与力村野「中村。御奉行様のお達しだ。この度の失態により、むこう半年間減封だ。」

ガーン。と思う主水であったが、あの最終回を思うと(絶筆)