お土産(必殺仕置屋稼業)

必殺仕置屋稼業 第20話「一筆啓上 手練が見えた」(脚本:中村勝行、監督:渡邊祐介 (C) 松竹)より

出張から帰ってきたらお土産を持ってくるのはよくある話。

さて主水が帰ってきた。お土産はない。りつが布団を敷いたりしている最中に母上がやってきた。長い間、主水が不在だったので寂しかったというりつだったが

中村せん「りつ。婿殿はお疲れ。今夜はお一人でゆっくり休んでいただきます。」

だから子供ができないんじゃないのかねえと思うのだが、それはとりあえず置いといて、機嫌が悪くなったりつが主水の脱いだ着物を片付けているとなんと一両見つかった! りつは母上に合図した。それに気がついた母上はりつのところにやってきた。

中村主水「ああ、しかし、十日間の旅籠暮らし、うんざりしました。」

とか言っている間にせんも着物を探索。すると足袋からまた一両出てきた。村野様から出た二両分が残っていた計算になる。りつが尋ねた。

中村りつ「あなた、お土産はないんですか。」
中村主水「冗談じゃありませんよ。考えてもみなさい。十日間の出張手当がわずかの一両と二分だ。」

とか言っている間にせんとりつは着物を一生懸命調べたが出てきたのはやはり先ほど見つけた二両だけ。

中村主水「今度の旅は足が出るやら手が出るやら。二度と出張なんてするもんじゃありませんな。」

とここまで話したところで

中村せん「ちょっと婿殿。結構なお土産、ありがとう存じました。」

嫌味だと思った婿殿が二人を見てみれば、なんとせんとりつが一両ずつ小判を持っていた。戦慄して

中村主水「返して。」

と頼み込む婿殿であった。