フィクションなどから拾う情報処理用語? その125 顧客(必殺仕掛人)

藤枝梅安(緒形拳)のところに音羽屋半右衛門(山村聰)からお照(弓恵子)殺しの依頼があった。お照は辻屋久兵衛(十朱久雄)の後妻に入っていたが、実は御座松の孫八(小池朝雄)を頭とする盗賊一味で引き込み役として入り込んだのだ。何とかお照に近づくことに成功した梅安先生だったが、昔馴染みの駒木野の安蔵(大塚吾郎)がお照のところにいた事から仕掛人と露見。盗賊一味に捕まってしまった。藤枝梅安ピンチ。かと思われたのだが、藤枝梅安は何とか武士 田所(茶川一郎)を人質にして抜け出そうとしたのだが、そこへ御座松の孫八が現れた。だが孫八は意に介さず、こんなことを言い出した。

御座松の孫八「梅安さん、とか言ったなあ。かまやしねえ。バッサリやっちまいな。」
藤枝梅安「何?」
御座松の孫八「このドジな野郎、生かしといたって何の役にも立ちゃしない。いっそお前に片付けてもらっちゃ始末がいいや。」
田所「親分。」
藤枝梅安「くだらない強がりはよしな。」
御座松の孫八「強がりだと思うかい。」

すると御座松の孫八は刀を抜いて田所をぶっ殺してしまった。驚く梅安に孫八はこう言い放った。

御座松の孫八「梅安さん。お前さんも仕掛人の端くれだ。人に頼まれた仕事は必ず仕留めてくれなくちゃ困るぜ。え。そのなりじゃ表も歩けねえ。さ、駕籠代だよ。」

孫八は財布を梅安に投げて寄越した。このことから梅安は全てを察した。

藤枝梅安「なるほど。お前さん、大した男だぜ。」

梅安は堂々と立ち去った。

藤枝梅安「あばよ。」

実は御座松の孫八が頼み人。お照が辻屋の遺産目当てに心変わりしたお照の心中を察知したからだ。だがお照は御座松の孫八殺しを既に依頼済。藤枝梅安と西村左内と櫓の万吉に話す音羽屋の言葉が傑作だ。

音羽屋半右衛門「ま、仕事をし遂げりゃ頼み人が2人とも居なくなる。こりゃどうも、面倒な事になりましたなあ。」

というわけで藤枝梅安がお照を殺し、西村左内が御座松の孫八を斬って終わるのであった。

さて、この配役、後の必殺必中仕事屋稼業を思うとニヤリとするねえ、半ちゃん。