始末書(必殺仕置屋稼業)

必殺仕置屋稼業 第9話 「一筆啓上 偽善が見えた」(脚本:保利吉紀、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

実はこの話、もう一ネタ拾えた。中村主水は文蝶が手鎖にあった時、亀吉に命じて文蝶の本を燃やしたのだが、亀吉の後始末が悪く、燃え残りがあった。翌朝、その件で村野様に呼び出された。風が吹いていたら南町奉行所は丸焼けであったと叱られる主水は平身低頭。だが

与力 村野「申し訳ないで済むことではない。始末書だ。」
中村主水「は?」
与力 村野「始末書は3枚貯まったら進退伺を出してもらうことになるが、わかったな。」

さらに主水は文蝶の筆を折らせる事まで命じられてしまった。奉行所に圧力が来ているのだというのだ。

主水は亀吉を責めたが、亀吉はきちんと水をかけて消したと証言。濡れ衣だったのだ。仕方なく主水は黙っておくように頼んだが亀吉は鰻を要求。仕方なく主水は鰻を御馳走してやった(ような)のだが、これは甘かった。

なんと御近所の奥様からりつやせんに漏れてしまったのだ。こうして家でも主水はりつから責められた。村野の役宅へ押しかけると息巻くりつを宥めた母上せんだったが、最終的には

中村せん「婿殿にもう一枚、始末書を書いてもらいましょう。」

お手柄を挙げたら帳消しにするという。そしてその内容は

中村せん「もし約束を破れば向こう一年間、我が家の厠を掃除していただきます。」

そして本当にせんとりつの目の前で始末書を書く羽目に陥る婿殿であった。