アピール(あまちゃん)
あまちゃん 第10週「おら、スカウトされる!?」第56話(脚本:宮藤官九郎、演出:梶原登城 (C) NHK)より
芸能界への邪心もとい関心ありまくりの足立ユイ(橋本愛)は遂に水口琢磨(松田龍平)の正体に気づき、琥珀採掘場へ乗り込んで直撃した。
水口琢磨「こんばんは。勉さんならスナックだよ。」
それに対するユイの言葉は
足立ユイ「電話で喋ってるの聞いちゃったんです。お座敷列車の前の日。」
その言葉を聞いて水口の手は止まったが、とぼけてまた作業を続けた。
水口琢磨「私とアキちゃんのこと、誰かに報告してましたよねえ。」
電話している様子が流された。
hirofumitouhei.hatenadiary.org
足立ユイ「スカウトマンなんですか?」
この直球勝負に対し、水口は立ち上がってユイの方を向いて答えた。
水口琢磨「違うよ。」
ユイはなおも食い下がった。
足立ユイ「業界の方ですよねえ。」
水口琢磨「違います。」
足立ユイ「雑誌で読んだことがあります。ターゲットを決めたら、まずその子の家の近所に部屋を借りて家族や友人と仲良くなってから交渉に入るって。それが円満にデビューさせる秘訣って。」
だがこの程度の言葉は想定内だったのだろう。水口は別の場所へ移動してユイに背を向けて座ってこう言った。
水口琢磨「あのう、あのさあ、何言ってるか、全然わかんないんだけど。」
これを聞いたユイはプッツン。大声でこう叫んだ。
足立ユイ「デビューしたいんです。(思わず(?)ユイの方を水口が向いたので)東京行って、アイドルになりたいんです。(水口が顔を背けた)こんな田舎で終わりたくないんです。」
水口は無言。叫び疲れたのか声のトーンを落としてユイは尋ねた。
足立ユイ「どうしたらいい?」
水口は顔を背けたまま、こう言った。
水口琢磨「それは君次第でしょう。」
ユイは水口の術中にハマってしまった。
水口琢磨「君の覚悟っていうか、本気が見たいって、もし俺が業界の人間で(ここでユイの方に顔を向けて)違うけどね、そういう人間で、そういう立場の人だったら、思うと思うけどねえ。普通にそこそこ可愛くて『アイドルになりたーい』って言っているちょっと痛い女の子と何が違うのか、知りたいと思うけどね。」
それを聞いてユイは覚悟を決めた。そして
天野夏(宮本信子)のナレーション「この頃からユイちゃんは一人でテレビに出るようになりました。あっという間に人気に火がつき、ちょっとしたコーナーを任されるようになってました。」
その番組を観ながら複雑な気分に陥る天野春子(小泉今日子)だったが、その真の理由が明かされるのはもう少し先なのである。