模倣品 その2(新・必殺仕置人)

新・必殺仕置人 第19話「元締無用」(脚本:村尾昭、監督:工藤栄一 (C) 松竹)より

名作なのだがネタに出来そうなのはこの部分くらいしかない。

さて季節は夏。殺しの仕事がない上に暑いのでカリカリしていた巳代松は「面白いものがある」と言うおていに連れて行かれた。着いてみると、そこには正八がいた。正八は何をとち狂ったのか、念仏の鉄の格好を真似していた。裏地が赤い黒い着物を着て右腕にはブレスレットをはめていた。更に気合いを入れていたのか、赤いタスキをしていた。そして桶に米をたくさん入れて鉄の骨外しの真似をしていた。

正八「ボキボキ、ボキー。トー!」

右手を抜くと今度は力を込めてポキポキする真似。呆れたのか巳代松が声をかけた。

巳代松「お前、何やってるんだよー。」

正八はその問いに対して

正八「あぶなーい。(動きながら)仕置人やるんだ、俺は。」

殺しはしないながらも正八も仕置人ではないかと思うのだが、それは置いといて、その後、縄でぶら下げた米俵を蹴飛ばした。鉄はそんな事はしないと思うのだが、まあ意気込みはわかるだろう。だが今度は米俵に骨外しをかけようとして右手を痛めてしまった。

巳代松「馬鹿野郎、お前。人間は米俵とは違うんだよー。」

笑う巳代松に

正八「一回だけ仕置やらせてよ、お願い。」

と頼み込む正八。巳代松は空の桶を指差し

巳代松「これやってみ。」

そこで正八は意気込んで

正八「よーし、やっちゃうんだから。仕置人正ちゃん。」

そして正八は「ダーッ」と叫んだのだが、正八が何かする前に桶は巳代松のパンチ(?)でバラバラに。だが

正八「あー、やったあ。空気の如くやったぞ。」

と勘違い。それを見て

おてい「バカ。」

すると近くでおしん(三浦リカ)の結婚相手の男が大勢の男にしばかれ出していた。巳代松は関わり合いになるのを恐れて遠巻きに見ていたが、その時

正八「おてい。俺に任してくれ、俺に。見てろ。」

そしてケンカの仲裁に乗り出したのだがおていも含めてフルボッコされて

正八「もういや、もう。」

と文字通り痛い目に遭わされて嘆くのであった。

なお正八はもう少し後で殺しを一回だけ行なうのである。