囮(必殺仕置屋稼業)

必殺仕置屋稼業 第22話「一筆啓上 狂言が見えた」(脚本:横光晃、監督:松野宏軌 (C) 松竹)より

緊急事態発生を捨三から聞いた主水は仕置を決断。そして現場で見たのはおりん(佳那晃子)が首を括って死んだ姿の影。主水は思わず手を合わせた。

さて浅吉(蟹江敬三)と対峙するのは印玄。浅吉の手裏剣に手こずりながらも縄でぐるぐる巻きにするのに成功し、印玄は屋根から浅吉を落とした。

さてここからがこのネタの本題。残る三原屋宗右衛門(稲葉義男)に近づくのは中村主水。おりんの首吊りのそばで、中村主水の専用曲「主水」がかかる中、主水は宗右衛門と対峙したが、宗右衛門は短筒を手にしていた。

三原屋宗右衛門「いつかのお役人さんか。ふふふふふ。死んでもらいますぞ。」

圧倒的に宗右衛門が有利。無策すぎやしないか、中村主水よ。だが後でわかるが、これには魂胆があった。まあ似たようなネタは第2話でもあったけれどもね。宗右衛門の注意は主水にひきつけられていた。主水は宗右衛門の指示通りに動いていた。宗右衛門は襖を背にして短筒を構えた。そして引き金をひいて撃とうとした、その時、宗右衛門の真後ろに竹串を持った手が映る。そう。市松が控えていたのである。それを確認した主水は刀を抜いて、おりんが首を吊るのに使った赤い帯を切った。おりんの首吊り死体を主水が受け止めると同時に宗右衛門は市松に刺し殺されていたのであった。

中村主水は囮を務めたのである。