偽装(必殺仕置屋稼業)

ボーっと生きていたら地味に時間が過ぎてしまい、ネタは溜まるのに書く時間が取れず、もとい、書く時間を取らずに時が過ぎてしまった。

今回は必殺仕置屋稼業 第22話「一筆啓上 狂言が見えた」(脚本:横光晃、監督:松野宏軌 (C) 松竹)から拾い上げたネタである。

さておこうは三原屋宗右衛門(稲葉義男)の家に来て、宗右衛門が引き取ったおりん(佳那晃子)の髪を結っていた。おりんは浜田屋(国一太郎)の娘だったが、浜田屋が死んでからは気がふれてしまい、宗右衛門が引き取っていたのだ。宗右衛門はおこうに挨拶した後、外へ出かけるとおりんに付いている女中に告げていた。そのおりんは髪を結われている最中もお人形を大事に手に取って遊んでいたようである。そして宗右衛門はおりんにこう言った。

三原屋宗右衛門「かわいい人形だねえ。」

と手に取ろうとしたが

おりん「いやん。」

と必死に逃げてしまった。

三原屋宗右衛門「ああ、ごめん、ごめん。もう言わないから、な。機嫌直してここにお座り。な。」

おりんは人形を大事に抱えて座った。以後も訳のわからない歌を歌うおりん。宗右衛門は出て行った。そしてしばらく経った頃、宗右衛門がいなくなったのを見計らったのか、突然、おりんは女中にこう言った。

おりん「お水。」

女中がお水を取りに出た後、おりんは真顔になって、おこうにこんな事を言い出した。

おりん「おこうさん。殺してください。殺してください。」

この(おこうに取っては)不意打ちを喰らっておこうは怪訝な顔。しかし、おりんは先ほどとは違って真顔である。

おりん「今の男、三原屋宗右衛門を殺してください。」
おこう「お嬢さん…」
おりん「おとっつぁん、あの男に殺されたんです。あたし、お金がないから、その代わり、このお人形。」

人形を手渡されておこうは困り果てたが、おりんの真剣な目つきを見て

おりん「あんさん、ほんまは正気なんですか?」

と聞いた途端に、おりんはまた笑い出してしまった。ちょうどその頃、女中が戻ってきた。また変な歌を歌うおりん。

女中「これですからね。」

しかし、おこうは結局、人形を受け取り、主水にその話をするのであった。さて実際はどうなのか。主水は人形を見て「一分か二分の代物だ」と呆れていたが、結局、三原屋を調べてみることにしたのだが、この顛末は映像でご確認を。それなりの話があったのだがヒントは全て書かれていると思う。